日本の美の真髄、憧れの数寄屋造りの家
「数寄屋造りの家」と聞くとちょっとあこがれますよね。純和風の高級住宅なイメージがあります。数寄屋造り(すきやづくり)とは、安土桃山時代から江戸時代にかけて完成された建築様式です。その昔、平安時代に貴族たちによって寝殿造りが隆盛をきわめました。やがて室町時代になり武家社会となっていくと書院をもつ建物を中心とする書院造りが確立されていきました。書院造りは序列や格式を維持する役割も持っていて、床の間、書院、違い棚など厳格な様式が決まっていました。武家は自らの権力を示す意味もあり様式にこだわりつつ豪華な装飾がほどこされた建物を建てていくようになります。そんな中で、茶の湯の流行とともに台頭してきた茶人たちが、その美意識により建築様式にも変化が与えることになっていったのです。