空き家活用の現状とは?いえらぶGROUPの最新調査で見えてきた課題と可能性
全国的に増加の一途をたどる空き家問題。2023年の総務省調査では、全国に約900万戸の空き家が存在していることが明らかになり、今や地域の安全や景観にも大きな影響を及ぼす社会課題となっています。
そんな中、不動産業界に特化したDX支援サービスを展開する株式会社いえらぶGROUPが実施した最新のアンケート調査(有効回答:1,406件)によって、不動産会社とエンドユーザーが空き家に対してどのように向き合っているのかが浮き彫りとなりました。
約6割の不動産会社が空き家を取り扱うも、活用事業に踏み出す企業は25.1%
まず注目すべきは、空き家物件を取り扱った経験が「ある」と答えた不動産会社が57.5%と、約6割にのぼったことです。これは、空き家の増加に伴い、市場としても無視できない存在になっていることを示しています。
一方で、実際に空き家を利用した新たな事業に取り組んでいる不動産会社はわずか16.1%、「過去に行っていた」企業を含めても25.1%にとどまっているのが現実です。
エンドユーザーの半数が空き家問題に関心あり!
調査では、空き家問題に「関心がある」と答えたエンドユーザーは48.2%。この数字からは、一般市民の間でも空き家の存在が身近な問題となっていることがうかがえます。中でも、不安を感じる要素としては防犯面の不安(55.5%)が最も多く、次いで「衛生面の不安(51.6%)」や「災害時の倒壊リスク(41.9%)」など、生活に直結するリスクが挙げられました。
空き家活用の可能性は?民泊・カフェ・集会所など多様化するアイデア
知っている空き家の活用方法については、「リノベーション住宅」が最多で55.7%、次いで「民泊・宿泊施設(44.5%)」「地域の集会所やカフェ(31.2%)」と、実に多様なアイデアが挙がっています。
こうしたアイデアに対して、不動産会社側がうまく応えきれていないのが現状。背景には老朽化による活用の難しさ(71.7%)や修繕・法的手続きのコスト(67.5%)など、具体的かつ深刻な課題が存在しています。
2023年の空家法改正が後押しとなるか?
令和5年(2023年)の法改正によって、「空家等対策の推進に関する特別措置法(空家法)」は、管理不全空き家への対応を強化。また、自治体との連携による補助金制度も整備されつつあります。これにより、従来よりも活用のハードルは下がりつつあるものの、現場での導入はまだ限定的です。
空き家を“地域資源”として活かすために
空き家は、ただの「使われない家」ではなく、地域のポテンシャルを秘めた“資源”です。観光拠点、地域コミュニティの場、若者や移住者向け住宅としての活用など、その可能性は無限大。不動産会社が新たなビジネスチャンスとして積極的に関わることで、地域社会全体の活性化にもつながるはずです。
今後の鍵は「支援体制」と「情報発信」
調査結果から見えてくるのは、空き家活用を進めるには「やりたいけどできない」状況を打破する制度の充実と、事例やノウハウの共有が欠かせないということ。不動産会社単体では解決できない課題が多いからこそ、自治体・民間・地域住民が手を取り合う仕組みづくりが求められています。
まとめ:空き家問題は「チャンス」に変えられる
いえらぶGROUPの調査結果は、空き家問題が単なる負担ではなく、新たなビジネスと地域創生のチャンスにもなり得ることを示しています。今後、不動産会社がどのように空き家にアプローチし、活用の選択肢を広げていくかに注目が集まります。
空き家問題に向き合う姿勢が、これからの不動産業界の鍵を握る。
▶ 詳しくは「いえらぶGROUP」の調査レポートをご覧ください:https://ielove-cloud.jp/blog/entry-04754/