家賃高騰・物価上昇の今、「実家暮らし」を選ぶ理由とは
都市部を中心に家賃や生活費の高騰が続くいま、社会人になっても「実家暮らし」を選ぶ人が増えていること、ご存じでしょうか?
株式会社LIFULL(ライフル)が運営する「LIFULL HOME’S」が2025年5月に発表した最新調査では、30代で半数以上、40代では7割以上が“実家を出る予定や意志がない”という驚きのデータが明らかになりました。
この調査は、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県在住の20代~40代の有職者4,943名を対象に実施されたもの。
家賃の高騰や物価高といった厳しい経済環境の中で、実家暮らしを選択するリアルな理由や背景が浮き彫りとなっています。
20代で「実家暮らし」が最多。30代・40代でも3割以上が実家暮らし!
まず注目したいのが、「現在の居住形態」のデータ。
20代ではなんと37.7%が実家暮らしを選択し、一人暮らしを上回る結果となっています。
30代・40代でも「パートナーや子どもと同居」が最も多いものの、実家暮らしも約3割(30代は26.4%)と、決して少なくありません。
この数字からも、実家暮らしが特別なことではなく、むしろ「現実的な選択肢」として広く認知されていることがわかります。
“実家を出ない”理由の本音――30代半数、40代は7割超が巣立たず
さらに注目すべきは、「実家を出る予定や意志があるか?」という質問への回答です。
– 20代…「出る予定・意志あり」55.7%
– 30代…「出る予定・意志なし」52.5%
– 40代…「出る予定・意志なし」70.3%
30代以上になると、“実家を出る”意志がどんどん低くなる傾向が見られます。
実家暮らしを続ける理由で最も多かったのは、
「貯金をしたいから」(20代48.6%、30代47.0%)。
40代では「家賃や生活費が払えない」が最多(36.8%)となり、各年代とも金銭面での理由が大きいことが伺えます。
また、親の介護や家族のサポート、心理的な安心感も理由に挙げられており、単なる“甘え”や“怠け”ではなく、時代背景や家庭事情が色濃く反映されているのがポイントです。
なぜ「実家を出る」人もいる?3割は通学・通勤の不便さがきっかけ
「一人暮らしをしてみたかった」という人も多い一方、実家から進学先や就職先へのアクセスが難しい場合に「仕方なく」家を出た人も多いようです。
実際、直近5年間に実家を出た人の3割以上が、通学・通勤の不便さがきっかけと回答。
その際の平均通勤時間は55.8分と、1時間近くかかっていたことも明らかになっています。
実家暮らしの通勤事情――約4割が「60分以上」かけて通勤
実家で暮らし続けるメリットは、金銭面だけではありません。
一方で、実家暮らしの約4割(36.0%)が、通勤時間に「60分以上」かかっているというデータも。
それでもなお実家暮らしを選ぶ人が多いのは、
– 家賃の節約
– 生活費の負担減
– 親のサポート
– 精神的な安心感
こうした複数のメリットが、多少の通勤の不便さを上回っているからだと言えそうです。
実家暮らしは今や“合理的な選択肢”に?新しい家族のかたち
今回の調査結果から見えてきたのは、「実家暮らし=自立していない」時代ではなくなってきているという事実です。
– 物価高や住宅価格の上昇
– 親の高齢化と介護の必要性
– “人生100年時代”の長期的なライフプラン
これらを背景に、家族で支え合いながら暮らす「実家暮らし」も、今の時代に合った新しいライフスタイルとして注目されつつあります。
LIFULL HOME’Sが伝えたいこと
LIFULL HOME’Sは「叶えたい!が見えてくる。」をコンセプトに、一人ひとりの多様な暮らし方を応援しています。
物件探しや住み替えだけでなく、今ある暮らしをもっと豊かにするヒントもたくさん掲載中です。
これからの住まい選び、実家暮らしも含めて「自分に合った暮らし方」を見つけてみてはいかがでしょうか?
まとめ:あなたにとって最適な“住まい方”を考えるヒントに
家賃や生活費の上昇、親の介護や家族との助け合い…
「実家暮らし」は今や時代遅れでも、甘えでもありません。
経済的な安定や家族の安心、そして自分らしいライフプランを叶えるための、“合理的な選択肢”として、多くの人が選ぶ理由が調査からも浮き彫りになっています。
これから住まいを考えるすべての方へ。
実家暮らしも含めて、自分らしい暮らし方をぜひ見つけてください。